ナイロンMXD6モノフィラメント[MXナイロン]

表13にナイロンMXD6モノフィラメントの引張性能を他のポリマーと比較して示します。
ナイロンMXD6モノフィラメントはナイロン6、ナイロン66およびPETよりも高い引張強度を有し、また、ナイロン6およびナイロン66と比較して高い引張弾性率、結節強度を示します。また、湿潤時においても高い引張強度と弾性率を保持します。

表13 ナイロンMXD6モノフィラメントの標準時および湿潤時における引張性能
樹脂 単位 ナイロンMXD6 ナイロン6 ナイロン66 PET
  S6007      
相対粘度 2.7 3.5 3.5 0.651)
  全延伸倍率   4.5 4.5 4.5 4.5
繊度 D 2000 2000 2000 2000
延伸糸径 μm 480 500 500 450
引張性能 【23℃、50%RH平衡】
水分率 % 1.7 2.6 2.4 0.5
直線引張強度 gf/D 6.0 5.4 5.1 4.9
(MPa) (650) (540) (510) (600)
伸び率 % 18 22 20 18
ヤング率 kgf/mm2 600 180 230 840
(GPa) (5.9) (1.8) (2.3) (8.2)
結節強度 gf/D 4.5 3.4 3.3 3.9
(MPa) (490) (340) (330) (480)
結節/直線強度比 % 75 63 65 80
【23℃、水中平衡】
水分率 % 5.8 10 8.5 0.7
直線引張強度 gf/D 5.6 5.0 4.7 4.6
(MPa) (610) (500) (470) (560)
伸び率 % 20 24 21 19
ヤング率 kgf/mm2 450 130 200 790
(GPa) (4.4) (1.3) (2.0) (7.7)
結節強度 gf/D 4.0 3.2 3.0 3.8
(MPa) (440) (320) (300) (460)
結節/直線強度比 % 72 64 64 83

1)極限粘度

図13にナイロンMXD6モノフィラメントの水蒸気処理(120℃、ゲージ圧1.1kgf/cm2steam)後の引張性能を他のポリマーと比較して示します。ナイロンMXD6モノフィラメントは7日間処理後も約60%の引張強度を保持し、ナイロン6、特にPETモノフィラメントに比べて良好な耐加水分解性を示します。


図13 ナイロンMXD6モノフィラメントの水蒸気処理後の引張強度

グラフ:ナイロンMXD6モノフィラメントの水蒸気処理後の引張強度。製品ごとに水蒸気処理時間と引張強度の関係を示している。

水蒸気処理:120℃、1.1kgf/cm2 steam
糸径:約500μm 延伸倍率:4.5
熱固定温度:160℃
弛緩率:4%

表14にナイロンMXD6モノフィラメントの熱過酸化水素水処理(濃度3%、90℃、8hr)後の引張性能を他のポリマーと比較して示します。ナイロンMXD6モノフィラメントは処理後も約70%の引張強度を保持し、ナイロン6モノフィラメントに比べて良好な耐過酸化水素水処理性を示します。

表14 ナイロンMXD6モノフィラメントの過酸化水素水処理後の引張性能
樹脂種類 ナイロンMXD6 ナイロン6 PET
グレード S6007    
全延伸倍率 4.5 4.5 4.5
繊度(D) 4,000 4,000 4,000
延伸糸径(μm) 680 700 640
引張強度(gf/D)
樹脂種類 ナイロンMXD6 ナイロン6 PET
処理前 6.0 [100] 5.4 [100] 4.9 [100]
H2O2aq./90℃処理後 4.1 [69] 1) 2.9 [60]
伸び率(%)
樹脂種類 ナイロンMXD6 ナイロン6 PET
処理前 18 [100] 22 [100] 18 [100]
H2O2aq./90℃処理後 19 [109] 1) 26 [144]
ヤング率(kgf/mm2
樹脂種類 ナイロンMXD6 ナイロン6 PET
処理前 600 180 840
H2O2aq./90℃処理後 470 1) 720

1)著しい劣化により測定不能
引張性能[ ]は保持率

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