八幡平の地熱開発

秋田県八幡平にある澄川地熱発電所では、クリーンな自然エネルギーの有効活用に積極的に取り組んでいます。昭和56年、三菱金属株式会社(現在:三菱マテリアル株式会社)と当社は、秋田県澄川地区において地熱発電所の建設を目指して、共同で地熱の探査を開始しました。
澄川地域は、八幡平、焼山等の東西系の火山列の北側に位置し、地表下約1000mの岩盤の温度は200℃を超えています。この高温の岩盤に暖められた地下水は地上に取り出すと急激に圧力が低下するため、沸騰し蒸気と熱水に分離します。この蒸気を利用して発電を行うのが地熱発電です。

写真:澄川地熱発電所
図:澄川地熱発電所のしくみ

平成2年には、掘削された蒸気生産井の一斉噴気試験が行われ、発電所の計画出力である5万kwの発電を満たす蒸気生産能力の確認と、環境影響調査が行われました。これらの成果をもとに地熱発電所の建設計画が立てられ、平成5年より東北電力株式会社と共同で地熱発電所の建設が行われました。澄川地熱発電所は、平成7年3月より営業運転を開始して以来安定した操業を継続しています。地球温暖化等の環境問題がクローズアップされてきている近年、地熱は地球にやさしいクリーンエネルギーのひとつで、再生可能な貴重な国産エネルギーと言えます。