コーポレート・ガバナンス
当社は証券取引所の規則に基づき、当社のコーポレート・ガバナンスに関する考え方や体制に関する報告書を作成し、 開示しています。本報告書は適宜更新します。
基本的な考え方
考え方
当社は社会的な存在として、株主の皆様をはじめとする全てのステークホルダーの期待に応えるため、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の運用に努めるとともに、継続的な強化・充実を図ってまいります。
基本方針
- (1)株主の権利・平等性を確保します
- (2)株主以外のステークホルダーと適切に協働します
- (3)適切な情報開示と透明性を確保します
- (4)取締役会などの責務を適切に果たします
- (5)株主と建設的な対話を行います
コーポレート・ガバナンス体制
当社は監査役会設置会社であり、業務執行については、執行役員制を導入し、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を明確に分離しております。取締役会は経営の基本方針、法令・定款で定められた事項やその他経営に関する重要事項を決定するとともに、業務執行を監督する機関として位置付け、業務執行機能は執行役員が担うこととしております。
会社に重要な影響を及ぼす事項については、経営方針を審議する経営会議及び具体的実行計画を審議する執行役員会で審議し、多面的な検討を経て決定しています。更に、会社経営上の意思決定や業務執行に当たっては、必要に応じて顧問弁護士その他の専門家からのアドバイスを受けています。
また、監査役は、取締役会のほか、執行役員会などの重要な会議への出席、各部門の監査、子会社の調査などを行い、重要な意思決定の過程及び業務の執行状況の把握に努め、意思決定の合理性、法令及び企業倫理遵守の確保のほか、業務執行状況の監査を行っています。
コーポレート・ガバナンス体制の基本情報
組織形態 | 監査役会設置会社 |
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監査役会の構成 | 4名(うち社外監査役2名) |
独立役員の人数 | 6名 |
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買収防衛策の導入 | なし |
コーポレート・ガバナンス、リスク管理体制図

取締役会の実効性評価
当社は毎年、取締役会の実効性について評価を行っています。取締役会の実効性の評価を行うにあたっては、「会議としての取締役会」、「組織としての取締役会」、「総合評価」という 3 つの側面から 5 段階評価の各種の設問を設けるとともに、それに縛られない自由な観点からの意見を求めるアンケートを全ての取締役、監査役を対象に実施し、その集計結果や種々の寄せられた意見等をもとに、取締役会で議論を行っています。アンケートの内容については、相当の水準が達成されたと判断した項目は設問から外し、新たな設問を追加するなど、適宜見直しを行っています。2022 年度に関しましては 2023 年 4 月にアンケートを実施しました。
その結果、引き続き取締役会の構成について比較的高い評価を得たほか、各種の経営上の重要な課題や各役員の職務執行状況等について社外取締役も含めて活発に質疑、議論、意見交換がなされるなど、適切な監督や情報共有が行われ、必要な方向性が示されているものと評価しています。これらのことから、当社では、取締役会の実効性について一定の水準にあるものと認識しております。
一方、アンケートへの回答や当日の議論の中では、取締役会における資料や事案説明のありかた、分量や内容について、その丁寧さを評価する一方でやや詳細に過ぎるとの声や説明項目の拡充を求める声など、取締役会での議論をより深めるための工夫に関して更なる検討の余地を示唆する意見や、昨今問われているPBR改善策等、今後取締役会で議論を深めるべきテーマ等に関する意見なども寄せられており、その実効性をより高めるよう引き続き検討していきたいと考えています。なお、社外役員が当社事業の実情をより把握するための事業所視察につきましても、コロナ禍が一定の落ち着きを見せてようやく環境が整ってきたことから、積極的に再開していきます。
以上のように、当社取締役会では、評価結果を踏まえ、向上の余地を指摘された事項等を中心に必要な見直しを進め、より実効性の高い取締役会の実現を目指して今後とも継続的な強化・充実を図っていきます。
報酬・指名委員会
報酬・指名委員会は役員報酬に係る委員会と経営陣幹部の指名に係る委員会の双方の機能を担う委員会であり、その過半数が独立社外取締役で構成されています。取締役会が会長・社長を含む経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行い、また、役員報酬に係る方針、年間総額、配分の決定を行うに当たっては、取締役会に付議するに先立ち、報酬・指名委員会に諮ることとしています。
なお、これら選解任・指名では、当該職に相応しい社内外での職務経験・知識や職責に相応しい品格・倫理観等を有しているか、法令・定款・社則違反がないかといった選定基準に照らして判断しています。
取締役・監査役に対するトレーニング
当社では、新任の取締役・監査役に対して、当該職の役割、責任と義務などの理解を深めるための、会社法をはじめとした関係法令などの外部セミナーの受講を必須としています。また、必要に応じてその他の取締役・監査役も含めた役員には、コンプライアンス、リスク管理、内部統制、関係法令などに関する外部セミナーの受講機会を設けるほか、関係する書籍配付なども行っています。
また、毎年、業務執行取締役・執行役員が全員参加する研修会を開催し、グループ討議などを通じて経営課題を共有するほか、適宜、外部の有識者を招き、改正法令や時事問題などに対する理解を深めます。
監査役は、自ら選定した外部セミナーの受講や監査役内での勉強会などを通じ、関係法令、監査手法、財務会 計知識などを習得することで、監査品質、実効性の向上に努めています。
監査役に対する情報提供及び支援体制
監査役の職務を補助するため、取締役の指揮命令に服さない専任の使用人を配置しています。同使用人は監査業務の遂行を事務的に支援するほか、監査役会の事務局として監査役間の連絡・調整を行っています。
監査役は、取締役と定期的に意見を交換するほか、取締役及び使用人から、定期的または重要な事項については速やかに業務執行状況などの報告を受け、必要に応じて説明を求め意見を表明しています。また、業務の執行に関する重要な文書を閲覧し、取締役及び使用人にその説明を求めています。更に、監査において適切な判断を行うため、当社から独立している弁護士などの専門家を利用することができます。
また、定期的に社外取締役と監査役会との間で意見・情報の交換を行うことにより、社外取締役と監査役会との連携を図っています。
多様な視点の導入
三菱ガス化学は、基礎化学品から高機能材料まで幅広くグローバルに事業を展開しており、経営判断に当たって高度の専門性が求められることから、当社事業や当社経営管理に精通した社内出身者を中心に、株主をはじめとするステークホルダーの視点から助言・監督を行う複数の独立社外取締役を加え、取締役会全体として知識、経験、能力その他多様性をバランス良く備えるよう努めることとしています。
当社では、現在12名(うち独立社外取締役4名でその半数は女性)の取締役が就任しており、概ね適正な規模と実効性を有しているものと考えています。
また、当社は、社外役員(社外取締役及び社外監査役)の公正かつ客観的な経営監視機能を確保するため、その選任に当たっては独立性に留意し、東京証券取引所所定の独立性に関する判断基準に則した、一般株主と利益相反の生じるおそれのない者を選任することとしています。
当社では、独立役員の資格を充たす社外役員を全て独立役員に指定しています。
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社外役員の独立性に関する基準
当社では、次の事項のいずれにも当てはまらない場合に、独立役員の資格を充たすものと判断しております。
- 本人が次のいずれかに当てはまる。
- 現在又は過去において、当社グループ※1の業務執行者※2である。
- 現在又は過去5年以内において、当社の大株主※3又はその業務執行者である。
- 現在又は過去5年以内において、主要な取引先※4の業務執行者である。
- 現在、当社グループとの間で社外役員の相互就任の関係にある法人等団体からの派遣である。
- 現在又は過去5年以内において、当社の法定監査を行う監査法人に所属している。
- 現在又は過去3年以内において、当社グループに法定監査以外のコンサルティング業務を提供して高額の報酬※5を得ている。
- 近親者※6が次のいずれかに当てはまる。
- 現在又は過去5年以内において、当社グループの重要な業務執行者※7である。
- 現在、当社の大株主又はその重要な業務執行者である。
- 現在又は過去5年以内において、主要な取引先の業務執行者である。
- 現在又は過去5年以内において、当社の法定監査を行う監査法人に所属している。
- 現在又は過去3年以内において、当社グループに法定監査以外のコンサルティング業務を提供して高額の報酬を得ている。
- その他当社グループとの間に重要な利害関係があり、独立役員としての職務を果たせないと合理的に判断される事情を有している。
- ※1当社グループ:当社及び当社の関係会社をいいます。
- ※2業務執行者:業務執行取締役、執行役員その他の、業務を執行する役員、又は使用人をいいます。
- ※3大株主:発行済株式総数の10%以上を直接又は間接に保有する株主をいいます。
- ※4主要な取引先:過去3年継続して連結売上高の2%以上を占める取引先をいいます。
ここでの「連結売上高」は、当社グループが売り手の場合は当社の連結売上高、買い手の場合は相手方の連結売上高を参照します。 - ※5 高額の報酬:個人の場合は年間1,000万円以上、法人等団体の場合は連結売上高または総収入金額の2%を超える報酬をいいます。
- ※6 近親者:配偶者、二親等内の親族又は生計を一にする利害関係者をいいます。
- ※7 重要な業務執行者:業務執行取締役、執行役員その他の、業務を執行する役員をいいます。
社外取締役の選任理由
氏名 | 独立役員 | 選任の理由 | 取締役会などへの出席状況 (2022年度) |
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広瀬 晴子 | ○ | 広瀬晴子氏は、長年にわたる豊富な国際経験と見識を有しており、当該観点から積極的にご発言いただくなど、当社の経営に対し適切な監督と助言を頂いておりますことから、今後も当社の意思決定の妥当性・適正性の確保に十分な役割を果たせるものと考えております。 同氏は、過去に社外取締役となること以外の方法で会社の経営に直接関与した経験はありませんが、国際機関等の要職を歴任しており、社外取締役としての職務を引き続き適切に遂行できるものと考えております。 同氏は、当社と特別の利害関係が無く、独立した立場から公正かつ客観的に職務を遂行できるものと考えております。 |
取締役会 | 12回中12回 (100%) |
鈴木 徹 | ○ | 鈴木徹氏は、グローバルに事業展開を行う会社における長年の国際経験と経営者としての経営全般にわたる見識と経験を有しており、当該観点から積極的にご発言いただくなど、当社の経営に対し適切な監督と助言を頂いておりますことから、今後も当社の意思決定の妥当性・適正性の確保に十分な役割を果たせるものと考えております。 同氏は、当社と特別の利害関係が無く、独立した立場から公正かつ客観的に職務を遂行できるものと考えております。 |
取締役会 | 12回中12回 (100%) |
真鍋 靖 | ○ | 真鍋靖氏は、グローバルに事業展開を行う会社における長年の経験と経営者としての経営全般にわたる見識と経験を有しており、当該観点から積極的にご発言いただくなど、当社の経営に対し適切な監督と助言を頂いておりますことから、今後も当社の意思決定の妥当性・適正性の確保に十分な役割を果たせるものと考えております。 同氏は、当社と特別の利害関係が無く、独立した立場から公正かつ客観的に職務を遂行できるものと考えております。 |
取締役会 | 12回中12回 (100%) |
栗原 和枝 | ○ | 栗原和枝氏は、幅広い化学の分野で高度な専門知識を有しており、当該観点から当社の経営に対し適切な監督と助言を頂けるものと考えておりますことから、当社の意思決定の妥当性・適正性の確保に十分な役割を果たせるものと考えております。 同氏は、当社と特別の利害関係が無く、独立した立場から公正かつ客観的に職務を遂行できるものと考えております。 |
取締役会 | ー |
社外監査役の選任理由
氏名 | 独立役員 | 選任の理由 | 取締役会などへの出席状況 (2022年度) |
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渡邊 剛 | ○ | 渡邊剛氏は、金融機関及び製造業等における国内外での豊富な経験と経営者としての経営全般にわたる見識と経験を有するとともに、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しており、取締役の職務の執行の適法性、適正性の確保の観点から、社外監査役として適任であると考えております。 同氏は、当社と特別の利害関係が無く、独立した立場から公正かつ客観的に職務を遂行できるものと考えております。 |
取締役会 | 9回中9回 (100%) |
監査役会 | 9回中9回 (100%) |
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松山 保臣 | ○ | 松山保臣氏は、金融機関等における長年の経験と経営者としての経営全般にわたる見識と経験を有するとともに、 財務及び会計に関する相当程度の知見を有しており、取締役の職務の執行の適法性、適正性の確保の観点から、 社外監査役として適任であると考えております。 同氏は、当社と特別の利害関係が無く、独立した立場から公正かつ客観的に職務を遂行できるものと考えております。 |
取締役会 | 12回中12回 (100%) |
監査役会 | 14回中14回 (100%) |
取締役及び監査役に求める専門性と経験
企業経営 業界知見 |
製造技術 研究開発 環境安全 |
事業戦略 営業販売 市場開拓 |
財務 会計 経営企画 |
法務 コンプライアンス リスク管理 |
人事 労務 人材開発 |
グローバル 多様性 異業種経験 |
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【取締役】 | |||||||
倉井 敏磨 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
藤井 政志 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
有吉 伸久 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
長岡 成之 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
北川 元康 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
山口 良三 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
毛戸 耕 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
伊佐早 禎則 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
広瀬 晴子 | ○ | ○ | ○ | ||||
鈴木 徹 | ○ | ○ | ○ | ||||
真鍋 靖 | ○ | ○ | ○ | ||||
栗原 和枝 | ○ | ○ | ○ | ||||
【監査役】 | |||||||
水上 政道 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
稲荷 雅人 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
渡邊 剛 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
松山 保臣 | ○ | ○ | ○ |
- ※各人に特に期待される項目を4つまで記載しております。
上記一覧表は各人の有するすべての知見や経験を表すものではありません。
役員報酬
取締役の報酬等の決定方針の内容及び決定方法
三菱ガス化学の取締役に対する報酬は、社外取締役を除いて、年額報酬及び譲渡制限付株式報酬で構成しています。
年額報酬はその役位・職責に応じた固定の基礎報酬に会社業績の各種指標を考慮した業績報酬から構成され、支給方法は月額に分割の上、毎月支給するもののほか、一定割合については積立型退任時報酬として年度ごとに積み立てて役員退任時に支給されますが、本人の業績その他の理由によって、減額措置を講じる場合があります。業績報酬は、会社業績に対するインセンティブとすることを目的に、経常利益等を指標として、実績金額や達成度などを基礎に決定しています。また、長年にわたって研究開発、製造プロセス開発、市場開発等の様々な過程を経て各事業の収益化に至るといった当社の事業特性上、年額報酬は基礎報酬を主としながら、3割程度の業績報酬を概形的な目安としています。
譲渡制限付株式報酬は、取締役に対して自社株式を付与するための報酬を年度ごとに一括して支給するもので、その役位・職責に応じた一定数量の株式を付与します。その株式に譲渡制限を付して一定期間保有させることにより株主と価値を共有することや、企業価値の持続的成長を図るインセンティブを与えることを目的としています。
これらの報酬のほかに、株主総会の決議を経て相当と思われる金額を賞与として支給することがあります。
なお、業務執行から独立した立場にある社外取締役に対しては、固定の基礎報酬のみを支給します。
年間の取締役報酬総額は、会社業績、世間水準、従業員給与の動向等を総合的に検討し、報酬・指名委員会に諮った後、取締役会で決定します。また、個人別報酬の配分については、当社の全体を俯瞰しつつ各取締役の評価を行うには取締役社長が最も適しているとの判断から、取締役会が取締役社長に一任しており、取締役社長は報酬・指名委員会での報酬配分の議論を踏まえて決定しています。
以上の方針については、その過半数が社外取締役で構成される報酬・指名委員会に諮った後、取締役会で決定します。
監査役の報酬
監査役の報酬は、株主総会の定める額の範囲内において、監査役の協議にて決定しており、固定の基礎報酬のみで構成されています。
2022年度の役員報酬等の総額
役員区分 | 報酬等の総額 (百万円) |
報酬等の種類別の総額 (百万円) |
対象となる 役員の員数 (人) |
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基礎 | 業績 | 譲渡制限付 株式 |
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取締役 (社外取締役を除く) |
482 | 298 | 147 | 37 | 9 |
監査役 (社外監査役を除く) |
52 | 52 | - | - | 2 |
社外役員 | 75 | 75 | - | - | 7 |
計 | 611 | 426 | 147 | 37 | 18 |
- ※上記の取締役に係る譲渡制限付株式報酬の額には、譲渡制限付株式報酬に係る費用の当事業年度計上額を記載しています。
買収防衛策
当社では、現在、買収防衛策を導入しておりません。