革命をもたらした
ガスバリア性樹脂
MXナイロン
世界シェア80%以上

ペットボトル飲料の
風味をキープ

最近、コンビニや自販機でペットボトル容器のホット飲料が増えたと思ったことはありませんか? それらの容器は、三菱ガス化学開発のポリアミド樹脂「MXナイロン」を用いてつくられたものかもしれません。従来のペットボトルでは達成できなかった「ガスバリア性」をこの素材が補い、風味の落ちやすいお茶などのホット飲料でも長い賞味期限を保つことに一役買っているのです。ホット飲料だけでなく、炭酸飲料に使用することで気抜けを防ぐことができるのもこの素材の特長です。近年では、ワインやビールのボトル向けにも採用が進んでいます。近い将来、ワインやビールなどのさまざまなアルコール類も“ペットボトル入りが当たり前”になるかもしれません。

※ガスバリア性:酸素や二酸化炭素などの気体を遮断するはたらき。

秘密は“ガスバリア性”にあり!
酸素も二酸化炭素もほとんど通さないポリアミド樹脂

ペットボトルは、その名の通り、PETから作られています。通常はPET単層ですが、これにMXナイロンを重ねた多層のボトルもあります。MXナイロンを用いたものと外見は変わらないようですが、こうした従来型のペットボトルは、液体は通さなくとも酸素(O2)や二酸化炭素(炭酸ガス、CO2)などの気体を通してしまいます。これを解決したのが、三菱ガス化学のMXナイロン。高いガスバリア性を持ち、酸素も二酸化炭素も通しにくい、画期的な素材です。しかも強度もあって、リサイクル性にも優れており、飲料容器を進化させるキーマテリアルとして注目されたのです。

※PET:ポリエチレンテレフタレート。プラスチック素材の一種。

一般的なペットボトルとMXナイロンの性能比較イメージ図

PET素材との組み合わせでボトルの最適設計を可能に

他の材料との組み合わせが容易なのもMXナイロンの良いところ。ペットボトルであれば、PETとPETの間にMXナイロンを挟んで3層構造にし、厚みを調整することで、中身にあわせた最適設計も可能です。こうした微調整により、「ガスを逃がさず炭酸飲料の気抜けを防ぐ」「外気を遮断して果汁飲料の風味を落とさない」などの目的に応じたボトルを自在につくることができ、このような高いガスバリア性からアルコール飲料の容器としても合格印となるのです。
また、MXナイロンはPETのほか、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの素材と組み合わせて加工することも可能です。このため、さまざまな容器に活躍の場を広げています(ページ下方<番外編>も参照ください)。

※ポリプロピレン、ポリエチレン:いずれも容器に用いられるプラスチック素材。それぞれPP、PEとも。

MXナイロンを用いたペットボトルの構造と性能の一例の図

軽量化(薄肉化)で環境にやさしいペットボトルを実現

MXナイロンは薄くとも高い効果を発揮するため、ペットボトルの軽量化(薄肉化)に貢献し、ひいては省資源化に役立ちます。一番の効果は、炭酸飲料容器をガラス瓶からペットボトルに変え、軽量化できること。これにより、輸送時に排出される温室効果ガス(CO2)の量を減らせます。MXナイロンは、飲料の品質を支えるだけでなく、環境負荷低減にも貢献しているのです。

※薄肉化:主に容器について、厚みを減らすこと。

MXナイロンがもたらす環境効果のイメージ図

番外編飲料だけじゃない?
身近な食品の容器でもMXナイロンが活躍!

酸化は食品の風味を損ない、安全性にも影響する、いわば“食品の敵”。外気に触れないよう中身をしっかり守るMXナイロンは、飲料だけでなく、食品を酸化から守るのにも適しています。そのため、ハムやレトルトカレーの袋などでも採用が進んでいます。さまざまな食品の鮮度を保ち、本物のおいしさをキープするのにも、MXナイロンが役立っているのです。

レトルトカレーの袋、ハムの包装の写真