商船三井との新造メタノール二元燃料船の長期定期傭船契約 について基本合意

　三菱ガス化学株式会社（社長：藤井 政志、本社：東京都千代田区、以下、当社）と、商船三井株式会社（社長：橋本 剛、本社：東京都港区、以下、商船三井）は、2023年4月28日に、メタノールと重油の二元燃料に対応したメタノール輸送船１隻（以下、本船）の長期定期傭船契約について基本合意いたしました。本船は、韓国の現代尾浦造船で建造され、2025年に竣工予定です。

　当社が1983年に日本初のメタノール専用船「甲山丸（初代）」を商船三井より傭船して以来、両社はメタノールの海上輸送を中心にパートナーシップを築いてまいりました。本船は国内荷主が長期傭船する初のメタノール二元燃料船となりますが、両社は本契約締結により、メタノールの海上輸送のさらなる発展を目指します。

　メタノール燃料は、従来の舶用燃料を燃焼した場合に比べ、燃焼時の硫黄酸化物(SOx)排出量を最大99%、粒子状物質(PM)排出量を最大95%、窒素酸化物(NOx)排出量を最大80%、二酸化炭素(CO₂)排出量を最大15%削減することができます。既に実用化されており、世界で主要な130港程度で供給、補油が可能です。多様な排出源から回収したCO₂と再生可能エネルギーを利用して製造された水素を合成し生産されたeメタノールや、バイオガス由来のバイオメタノールなど、非化石原料由来のメタノールを活用すれば、排出されるネットGHG排出量の更なる削減につなげて行くことも可能です。

　当社は、グループのミッション「社会と分かち合える価値の創造」に基づき、CO₂・廃プラスチック・バイオマスなどを、メタノールに転換して化学品や燃料・発電用途としてリサイクルする取り組み「環境循環型メタノール構想　“Carbopath™”」を推進しており、国内及び海外で当該構想を実現すべく、環境循環型メタノール製造販売の事業化を検討しております。

　昨今、国際海事機関（IMO）や海運業界では、温室効果ガス（以下、GHG）の排出量削減を喫緊の課題として掲げており、バイオ由来や再生可能エネルギー由来の原料から製造されたメタノールは重油に変わる次世代燃料の１つとして大きな注目を集めています。メタノールは常温・常圧で取り扱える点や既存のインフラを活用できる点でアドバンテージがあり、コンテナ輸送船などで重油とメタノールを燃料として使用出来る二元燃料船の建造が進んでいます。

　今回の契約締結により、当社自ら“Carbopath™”の需要を創出し、当社グループのミッション「社会と分かち合える価値の創造」に基づき“Carbopath™”の社会実装を推進し、GHGの削減と資源の再生循環を基盤としたカーボンニュートラル社会の構築、脱炭素社会や循環型社会の実現を今後も積極的に進めてまいります。

＜本船仕様＞

環境循環型メタノール構想：

<ご参考>

「環境循環型メタノール構想」による脱炭素社会への取組み（2021年3月30日発表）
https://www.mgc.co.jp/corporate/news/2021/210330.html

日本政策投資銀行とDBJ-対話型サステナビリティ・リンク・ローンの契約を締結（2022年2月10日発表）
https://www.mgc.co.jp/corporate/news/2022/220210.html

日本初！ごみからメタノールの製造に成功～国内清掃工場から排出されるCO2を化学製品原料に転換～（2022年3月31日発表）
https://www.mgc.co.jp/corporate/news/2022/220331.html

「人工光合成型化学原料製造事業化開発」がNEDO グリーンイノベーション基金事業で採択～人工光合成によるカーボンニュートラル実現に貢献～（2022年2月18日発表）
https://www.mgc.co.jp/corporate/news/2022/220218.html

国内初となる廃プラスチックのガス化及びメタノール化実証事業を開始～環境省「二酸化炭素排出抑制対策事業等補助金 脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」に採択～（2022年8月23日発表）
https://www.mgc.co.jp/corporate/news/files/220823.pdf

グリーン水素・CO2を使用した環境循環型メタノール事業について共同検討を開始（2022年10月28日発表）
https://www.mgc.co.jp/corporate/news/2022/221028.html

以　上