グリーン水素・CO2を使用した環境循環型メタノール事業について共同検討を開始

2022年10月28日

 Cement Australia Pty Ltd(以下、CA、本社: オーストラリア クイーンズランド州 ダラ; CEO: Rob Davies、Holcim社(スイス)・Heidelberg Material社(ドイツ)の合弁会社)と三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤井 政志、以下、三菱ガス化学)は、三菱ガス化学が新たに開発した環境循環型メタノール製造技術を適用し、CAのグラッドストーン工場(クイーンズランド州)から回収するCO2 とグリーン水素を原料としたメタノール製造販売の事業化検討を行うことに合意する覚書を締結しました。

 グラッドストーン地域において再生可能エネルギー由来の電力により生成される水素と酸素で化石燃料を代替する本計画は、サステナビリティの最先端に立つものです。

 再生可能エネルギー源が豊富、かつ港湾設備や高度人材といった既存のインフラを活用できるグラッドストーン地域は、さまざまなグリーン水素分野の事業を育成する上で理想的な場所と考えられます。また、グリーン水素経済はクイーンズランド州政府の水素産業戦略での最優先事項と位置付けられています。本計画は同州の戦略に沿うものであり、グリーン水素ハブ構想からの下流事業への展開において重要な役割を果たします。

 事業活動から排出されるCO2を回収し高付加価値製品へ利用することは、CAの脱炭素ロードマップにおける戦略的な支柱です。また、オーストラリアでの「グリーンコンストラクション」への移行を先導するCAは、グリーン建材の大規模展開やCO2分離回収・有効利用(CCU)などの次世代技術の推進によって、同国の2050年までのネットゼロ目標に取り組んでいます。

 三菱ガス化学は、グループのミッション「社会と分かち合える価値の創造」に基づき、CO2・廃プラスチック・バイオマスなどを、メタノールに転換して化学品や燃料・発電用途としてリサイクルする取り組み「環境循環型メタノール構想 "CarbopathTM" *」を推進してきました。CarbopathTMには、三菱ガス化学が長年培ってきた自社触媒を基にしたメタノール製造技術が採用されています。

 この提携により、CAと三菱ガス化学はネットゼロの未来への移行を加速するCCU手法の確立を目指します。メタノールはさまざまな製品に利用することができ、CO2より製造できることから、CCUの導入を通じたカーボンニュートラル社会構築の上で強力な資源となると期待されています。本計画で製造されるグリーンメタノールは、循環型の環境にやさしい化学製品を必要とする幅広い顧客に販売することを想定しています。

 両社は、グリーン製品の事業化検討とともに、化学産業だけでなく業種を超えた官民産業横断的な取り組みを進めてまいります。また、オーストラリア国産のグリーン製品の市場創出により、社会全体でのCCU導入のメリットを拡げるとともに、脱炭素社会構築の一助としてまいります。

(左)CAのRob Davies CEO
(中央)クイーンズランド州政府のCameron Dick 財務大臣
(右)三菱ガス化学の宮本 隆行 執行役員



*: 三菱ガス化学は「環境循環型メタノール構想」を「CarbopathTM (カーボパス)」と命名しました。CarbopathTM という名称には、三菱ガス化学が環境循環型メタノール構想を推進する先駆者となるという想いが込められております。
https://www.mgc.co.jp/corporate/news/2022/220704.html

以 上

お問い合わせ先

三菱ガス化学株式会社
総務人事部広報グループ
TEL:03-3283-5040

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