生物が海底に沈み、長い年月をかけて分解され発生する天然ガス。この天然ガスには、地下水に溶け込んでいる「水溶性天然ガス」と、地層の背斜構造などにガス体のまま貯まっている「構造性天然ガス」があります。
「水溶性天然ガス田」は一般的に「構造性ガス田」と比較すると、生産量は少ないが埋蔵量が豊富で、日本の場合はこの地下水にヨードも含まれているなど、世界的に見ても特異なガス田と言えます。
一方、「構造性天然ガス田」における天然ガスの生産量は、国内総生産量の約83%を占めています。当社の天然ガス生産量で見ても、約97%は構造性天然ガスであり、水溶性天然ガスは3%に過ぎません。
ちなみに、天然ガスを−162度以下に冷却して液体化したものがLNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)であり、天然ガスの主成分であるメタンの体積が約1/600となるため、海外から大量輸送する場合に適しています。
天然ガス?
三菱ガス化学の「ガス」とは、天然ガスのこと。
そもそもこの天然ガスとは、どういったもの?
なぜ天然ガスを原料とすることに着目したのだろうか。
その背景を詳しくご紹介します。
そもそもこの天然ガスとは、どういったもの?
なぜ天然ガスを原料とすることに着目したのだろうか。
その背景を詳しくご紹介します。
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天然ガスについて
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なぜ天然ガスに着目したのか?
旧日本海軍内の技術者たちの試み
三菱ガス化学が天然ガスに着目した由来は、前身である日本瓦斯化学工業株式会社の設立(1951年)まで遡ります。
1929年に旧日本海軍内における燃料工場にて、当時の技術者がメタノール合成法の研究を行ったのがその始まりでした。
一般に、メタノールはコークスガス、天然ガス、LPGなどの炭化水素原料とスチームとの反応で得られる合成ガスを、触媒上で反応させることにより合成されます。
当時開発したメタノール製造技術は、この触媒に特徴がありました。熱に弱いため寿命が短いとされていた触媒が既存のものよりも安定性に優れていたということが分かったのです。
ガス精製の技術力も強化され、天然ガスを原料とするメタノール合成技術が日本で初めて誕生しました。化学工業の原料資源として着目する
原材料となる天然ガスについては、当時、資源をいかに確保するかが大きな課題でした。
そんな中、新潟の天然ガスは地下水に溶け込んだ水溶性天然ガスであり、蒲原平原全域に広がるほど膨大な埋蔵量で、硫黄分が皆無に近く、純度がきわめて高いという情報を得たのです。
この頃はまだ未知の分野でしたが、天然ガス化学工業を興すことを決意。より容易なメタノール製造に着手し、日本瓦斯化学工業株式会社が設立されました。 -
天然ガスのメリットは?
天然ガスの主成分はメタンで、その他エタン、プロパン、ブタンなどが含まれます。
日本の天然ガスは硫黄分などの不純物が非常に少なく、燃焼させた時に石炭や石油に比べて大気汚染物質や二酸化炭素の排出が少ないクリーンエネルギーと言えます。
埋蔵量も豊富であるため、長期的な安定供給が可能であり、都市ガスや発電用など燃料用原料としても使用されています。
三菱ガス化学ではこの天然ガスを、メタノール、アンモニア、アセチレンなどの化学品製造原料として利用する他、世界の天然ガス埋蔵国において探鉱開発を行っています。
プロダクトフロー
MGCは天然ガスを原料に、
さまざまな化学製品を社会に提供しています。
さまざまな化学製品を社会に提供しています。