機電系対談
電気の知識を活かしながらも
視野を広げ、新しい領域を
学べる環境がある
視野を広げ、新しい領域を
学べる環境がある
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谷脇 由将(左)Yoshimasa Taniwaki鹿島工場 工務部工務課工学部 電気電子工学科
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中村 真規(右)Masanori Nakamura四日市工場 工務部工務課システム創生工学専攻
電気電子創生工学コース

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自分の視野を広げるためにあえて化学メーカーを志望した
- 谷脇
- 大学では電機メーカーや電力会社などが人気の就職先でした。でも私は装置が並ぶ現場で、メンテナンスや改造、改修に携わる保全をやりたいと思っていました。先生に相談したら、「電気の知識を持った人は、電気以外にも化学メーカーや食品メーカーなどさまざまな業界で活躍できるよ」と教えてもらい、視野が広がりました。
- 中村
- 私は電気・電子について幅広く学んでから、大学4年生のときに半導体の故障検査の研究を始めて、そのまま大学院に進みました。一点に的を絞るような研究だったので、逆に「仕事ではさまざまなことを経験したい」と考えるようになって。そこで就職活動では、化学メーカーや食品メーカーの生産技術職などを当たりました。
- 谷脇
- MGCを選んだのは、化学メーカーという装置産業で、若いうちから大きなプロジェクトに携われる会社だったからです。
- 中村
- 私も少数精鋭主義のもとで、人を長期的に育てていく環境に魅力を感じました。さまざまな人とさまざまな仕事に携わることで、新しい発見があるのではないかと。
- 谷脇
- そして入社後、中村さんは四日市工場、私は鹿島工場の工務課・計装チームに配属され、現在に至ります。
- 中村
- 計装はプラントを制御する制御装置や計測器などの保全を担当します。
- 谷脇
- プラントを人間にたとえると、脳や神経系にあたる部分の保全ですね。
- 中村
- 例えばAとBの材料を入れて製品を作っていた釜に、製造課から「今度はAとCを入れて新しい製品を作ってみたい」という要望が来る。そのプロセスを検討して、シーケンスのプログラムを書き換える場合には、大学で学んだ電気系の知識が役に立ちますね。
- 谷脇
- 私は2年目に主担当となった特高変電所の更新工事で、電気系の知識が役に立ちました。それまで使っていた変圧器は30年以上経って老朽化していたのです。でも、そう簡単には止められません。そこで新しい変圧器を稼動中の変圧器のすぐ横に組み上げ、定期修繕のタイミングでつなぎ替えるだけにしました。作業は1ヶ月間という短期決戦だったので、準備にはかなり苦労しましたね。
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自分たちがメンテナンスしたプラントを使う製造課は「お客様」
- 中村
- 計装チームの仕事は、準備段階の検討が大切ですよね。単に新しい計装機器をつける工事に向けて、だけではありません。設置後の使いやすさ、メンテナンスのしやすさまで見越して検討する必要がありますから。決して「作って設置して終わり」じゃない。
- 谷脇
- そうなんです。特にレイアウトは、これひとつでメンテナンスの効率が飛躍的に変わる。「両脇にスペースを作ればポンプを外したときに整備しやすい」「それなら配管で囲まないようにしよう」といった検討が欠かせません。
- 中村
- 私も2年目で工事の主担当を任されました。10年目のプラントの改造工事で、管のガラス部分を定期的に撮影する装置をつける、というものです。仕組みはシンプルですが、ガラスに光が反射して撮影しにくいですね。カメラの角度、撮影する位置を何度も変えて実験しながら、製造課と2ヶ月も検討を重ねました。
- 谷脇
- 製造課とのコミュニケーションはとても大切ですよね。私は個人的に、製造課を「工務課のお客様」と捉えて対策を考えるようにしています。「お客様」に対しては、自ら情報を取りにいったり、提案したりするじゃないですか?
- 中村
- たしかに。私たちは日頃、電機メーカーや設計事務所から提案を受けるエンドユーザーです。自分のお客様=サービスを提供する相手をしっかり見据えないと、仕事がただの作業になりますよね。
IoTなどの新技術や機械系の知識をどんどん吸収していきたい- 谷脇
- 私たちだけではなく、工務課には一人ひとりこだわりがありますから、検討会議などでは議論がけっこう白熱しますよね。
- 中村
- 相手が課長でも部長でも、技術的に正しいと思ったことは年次に関係なく主張できるから嬉しいです。規定の改訂もさせてもらえます。
- 谷脇
- いざ任されると、知識も経験もないぶん苦労はします。でも、苦労したことほど忘れないものです。分からないことが多くても、工事の主担当となって成長するきっかけを与えてもらえることはありがたいですね。
- 中村
- 今、四日市工場ではIoTの導入が進んでいます。空気圧で動くバルブの劣化をセンサーで拾い、メンテナンスや交換のタイミングを決定する。プラントに200~300ヶ所あるスチームトラップのデータを拾い、ネットに飛ばして管理する、というように。導入後のメンテナンスに大きな影響を及ぼすので、今後どの技術が汎用的なものになるかを見極めないと。かなり難しいですが、私としては適切な導入に携われる技術者になりたいですね。
- 谷脇
- 計装そのものの知識だけではなく、機械系の勉強もしておく必要を感じています。そこまでカバーした上で、工務課全体を統括できるゼネラリストになることが、今の目標ですね。
- 中村
- 化学メーカーならではの広がりですよね。こういうことは学生には見えにくいかもしれません。私自身そうでしたし。ですから工場見学などで学生と接点が持てたら、どんどん伝えていきたいです。
