大阪・関西万博内のDAC装置で回収したCO2の受け入れ完了
2025年9月30日
三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:伊佐早 禎則、以下、MGC)は、このたび公益財団法人 地球環境産業技術研究機構(本部:京都府木津川市、理事長:山地 憲治、以下、RITE)が2025年日本国際博覧会会場内に設置したDAC※1装置で回収したCO2のうち、当社向け分の受け入れを完了しましたので、お知らせいたします。
当社とRITEは、大気中から回収されたCO2について、地中貯留や循環型社会の構築を支える革新的な脱炭素技術の実用化を目指しており、この取り組みの一環として、6月16日付ニュースリリースでお知らせしたとおり、大阪・関西万博会場でRITEがDACによって回収したCO2を当社に受け渡す契約を締結しました。これは、大気からのCO2直接回収(DAC)から、CO2を原料とする化学品の製造(CCU※2)、 さらにCO2の地中貯留(CCS※3)までを包括的に実施する、「CCUS※4」のモデルケースとして、日本国内でも先駆的な取り組みであり、革新的環境技術の実例として、カーボンニュートラルの達成だけでなく、過去に排出されたCO2の削減も目指す「ビヨンド・ゼロ※5」の実現に向けた道筋を示すものです。
今回の取り組みにおいて当社は、RITEから合計で約1トンのCO2をトラック4台に分けて受け入れました。さる9月29日(月)には、最終受け入れ分のCO2が当社新潟工場に到着するのにあわせ、関係機関や報道関係者を招いた見学会を開催しました。
当社が受け入れたCO2は、当社が推進する廃棄物やCO2から合成したメタノールを化学物質原料や燃料として活用する環境循環型プラットフォーム「CarbopathTM」において、メタノール原料として利用されるほか、将来計画しているCCSの実施に向けて一部が新潟工場内の貯蔵タンクで保管されます。
当社は、ミッション「社会と分かち合える価値の創造」のもと、RITEをはじめとするさまざまなパートナーと連携しながら、CarbopathTMの社会実装を通じた脱炭素社会や循環型社会の実現を今後も積極的に推進してまいります。
※1 DAC(Direct Air Capture、直接空気回収技術):大気中に存在するCO2を直接回収する技術
※2 CCU(Carbon dioxide Capture, and Utilization、二酸化炭素回収・有効利用):回収したCO2を新たな資源として活用する技術で、CO2の再利用を通じて新たな経済価値を生み出す可能性を持つ
※3 CCS(Carbon dioxide Capture, and Storage、二酸化炭素回収・貯留):回収したCO2を地中貯留する技術
※4 CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization, and Storage、二酸化炭素回収・貯留・有効利用):CO2を回収する技術を基盤として回収したCO2を有効利用するか地中貯留する技術で、CO2削減のための総合的なソリューションとなる
※5 ビヨンド・ゼロ(Beyond Zero):カーボンニュートラルを実現し、さらに過去に蓄積したCO2を削減・回収することにより、地球全体の炭素収支を改善することを目指す概念;
以 上
【公益財団法人 地球環境産業技術研究機構について】
公益財団法人 地球環境産業技術研究機構(RITE)は、1990年に日本が提唱した「地球再生計画」に基づき、地球温暖化問題に対する革新的な環境技術の開発などを国際的に推進する中核的研究機関として設立されました。これまでにCO2回収・貯留(CCS)技術、バイオリファイナリー技術の開発、温暖化対策のシステム分析など、地球環境とりわけ地球温暖化問題に特化した独自性の高い研究を行ってきました。また近年では米国やヨーロッパなどの研究所との共同研究推進や気候変動に関する政府間パネルであるIPCCへの参加など国際的な活動も広げています。
RITEについての詳細は、こちら。
【ご参考】
・CarbopathTM特設サイト
・三菱ガス化学と地球環境産業技術研究機構、6月16日付共同ニュースリリース
お問い合わせ先
三菱ガス化学株式会社
総務人事部広報グループ
TEL:03-3283-5040