商船三井との新造メタノール二元燃料外航船「第七甲山丸」が竣工

2025年6月2日

 三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:伊佐早 禎則、以下、当社)が株式会社商船三井(本社:東京都港区、社長:橋本 剛、以下、商船三井)から長期貸船するメタノール二元燃料メタノール輸送船「第七甲山丸(英語名:KOHZAN MARU VII、読み:コウザンマル セブン、以下、本船)」が5月30日、現代尾浦造船(本社:韓国蔚山市、社長:H.K. Kim)にて竣工しました。竣工に先立ち、5月23日に現代尾浦造船にて命名式が執り行われ、当社の藤井代表取締役会長により命名されました。

 


250602-1命名式の模様(前列中央が当社会長の藤井 政志、前列右から6人目が商船三井の橋本 剛社長)

 

 今回竣工した本船は、国内荷主が長期傭船する国内初のメタノール二元燃料外航船です。当社と商船三井は1983年に日本初のメタノール専用船「甲山丸」の運用を開始し、効率的で安全性の高いメタノール海上輸送を担ってきました。本船は初代「甲山丸」以来培ってきたメタノール海上輸送のノウハウを継承しながら、当社が取り扱う再生可能資源由来の環境循環型メタノールの海上輸送を行うと共に、次世代船舶燃料として注目されているメタノールを本船の燃料として活用し、真に持続可能なメタノールの運用を実現します。
 商船三井と当社は、常に時代のニーズに応える海上輸送のあり方を追求し、業界をリードしてきました。この度のメタノール二元燃料外航船の運用により、カーボンニュートラル社会に向けた取組みを両社で主導していきます。

 

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メタノール二元燃料外航船「第七甲山丸」

 

 基礎化学品のひとつであるメタノールは様々な用途に使用されていますが、燃料用途においても燃焼時のCO2や硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)の発生量が少ないクリーン燃料として知られています。既にEUでは海運におけるGHG排出規制*の導入が始まり、さらに国際海事機関(IMO)においてもGHG削減に関する中期対策の審議**が進められているなど、重油に代わる代替燃料への注目が高まっています。特にメタノールは既存インフラで取り扱いやすく、他の代替燃料に比べ安全性も高いという特長を持っており、CO2や廃プラスチック、バイオ由来の環境循環型メタノールに置き換えることで、ライフサイクルでのカーボンニュートラルな海上輸送も実現可能になります。

  当社は、排出CO2や廃プラスチック、バイオマス等からメタノールを製造し、燃料や素材、化学品に変換することで炭素循環を実現する環境循環型のプラットフォーム「CarbopathTM(カーボパス)」を提唱し、産業横断的な連携を進めることで循環型社会の実現を推進しています。当社グループのミッション「社会と分かち合える価値の創造」に基づき、本船を活用した環境循環型メタノールによるサステナブルな海上輸送だけでなく、船舶用燃料市場向けのメタノール供給や環境整備にも取り組み、製造から供給、輸送、利用に至るまでメタノールを起点としたバリューチェーンによるカーボンニュートラルの社会実装を一層加速させていきます。

 *Fuel EU Maritime及びEU-ETS
**国際海事機関(IMO)第83 回海洋環境保護委員会(MEPC 83)

 

<本船仕様>

載貨重量トン数 47,960トン
主機関 HYUNDAI-MAN B&W 6G50ME-C9.6-LGIM-EGRBP

 

<ご参考>
2023年5月19日付ニュースリリース
商船三井との新造メタノール二元燃料船の長期定期傭船契約 について基本合意 | 当社について | 三菱ガス化学株式会社

環境循環型メタノールCarbopathTM 紹介サイト
https://www.carbopath.mgc.co.jp

以 上

お問い合わせ先

三菱ガス化学株式会社
総務人事部広報グループ
TEL:03-3283-5040

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