メタノール燃料内航ケミカルタンカーの傭船およびメタノール舶用燃料の供給体制の拡充

2025年3月25日

 三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤井 政志、以下、当社)と、国華産業株式会社(本社:東京都港区、社長:今川 公史、以下、国華産業)は、メタノールを主な燃料とするメタノール国内輸送船1隻(総トン数 約499トン、以下、本船)の長期定期傭船契約とメタノール燃料供給について基本合意し、2025年2月5日には国華産業が造船所と造船契約を締結いたしました。

 本船建造事業は期待されるCO2排出削減効果から、環境省(国土交通省連携事業)が公募した「令和6年度海事分野における脱炭素化促進事業(うちLNG・メタノール燃料システム等の導入支援事業)」に採択されています。本船の竣工は2026年を予定しており、これにより当社および国華産業は、内航海運におけるメタノール燃料の実用化に向けて大きく前進いたします。

 現在、国内物流の4割を担う内航海運におけるカーボンニュートラル実現に向けて、国土交通省は2040年度時点の内航海運からのCO2排出量の削減目標案として2013年度比約36%減(約387万トン減)を図る方針を掲げています。目標達成のため、政府による施策や制度制定、業界関係者のカーボンニュートラルに係る取り組みが進んでいます。メタノールは、常温・常圧で液体であり取り扱いが容易であることに加え、既存の供給インフラもあり、現在の主たる舶用燃料である重油に比べ、燃焼時の硫黄酸化物(SOx)排出量を最大99%、粒子状物質(PM)排出量を最大95%、窒素酸化物(NOx)排出量を最大80%削減可能な特性からクリーンな燃料として従来から利用されてきました。さらに、メタノールはCO2や廃プラスチック、バイオマスからも製造できるため、内航海運におけるCO2排出量削減に効果的で現実的な次世代船舶燃料の一つとして、既に実用化が進んでいます。

 本船は、当社が供給するメタノールを燃料とし、メタノールの内航輸送に加え、国内でのメタノールバンカリング船※1としても活用する計画です。当社が長年培ってきたメタノールのサプライチェーンを活かし、今後は環境循環型メタノール “Carbopath™”を供給することで内航海運におけるさらなるCO2排出量の低減を実現し、メタノール燃料供給体制の拡充に努めてまいります。

  当社は、グループのミッション「社会と分かち合える価値の創造」に基づき、CO2・廃プラスチック・バイオマスなどを、メタノールに転換して化学品や燃料・発電用途としてリサイクルする環境循環型プラットフォームとなる“Carbopath™”を推進しており、従来の産業構造の枠組みを超え、多様な業界やあらゆるステークホルダーとの連携を通して、循環経済を実現する社会システムの構築を目指してまいります。

 

※1 バンカリングとは、船舶で使用する燃料を供給すること

以 上

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三菱ガス化学株式会社
総務人事部広報グループ
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