世界初となるガラス製造時に発生する CO2 を原料とした 環境循環型メタノールの製造販売を検討開始

2023年8月31日

 AGC株式会社(以下AGC、本社:東京、社長:平井良典)と三菱ガス化学株式会社(以下三菱ガス化学、本社:東京、社長:藤井政志)は、三菱ガス化学が開発したメタノール製造技術を適用し、AGCが建築用ガラス製造時に発生するCO2を原料として、メタノールの製造・販売を検討開始することに合意しました。本検討は、AGC鹿島工場にて2030年頃までに事業化することを目標としており、実現した際は、ガラス製造時に発生するCO2を有効活用した「環境循環型メタノール」*1を製造・販売する事例として、世界初*2になります。

 近年、2050年カーボンニュートラル実現に向けたイノベーション技術として、CO2を回収・利用するCCU*3技術が注目を集めています。またメタノールは、基礎化学品として幅広い用途を持ち、近年ではエチレンやプロピレンへ転換する用途が拡大するなど、カーボンニュートラルに向けた活用の展開が期待されています。
 本検討では、CCU技術を用いて、日本最大規模の建築用ガラス製造設備で発生するCO2をメタノールに変換し、製造・販売することを目標としています。なお、回収したCO2を原料とした化学製品は、環境負荷低減を実現できる一方、従来製法に対しCO2の回収・変換に伴うコスト増が課題となります。この課題に取り組むため、三菱ガス化学は、既存の販売網を通じ、環境負荷の低い「環境循環型メタノール」の社会的価値を訴求し、需要家の開拓を行っていきます。また、AGCは本検討に加え、自社化学品事業の原料として使用しているメタンガスを「環境循環型メタノール」に置き換える検討を進め、カーボンリサイクルを前提とした化学製品の事業化も視野に入れています。

 AGCグループは、中期経営計画AGC plus-2023における重点課題の1つに「サステナビリティ経営の推進」を定め、2050年のカーボンネットゼロ*4を目標に掲げています。ガラス製造時に発生するCO2を原料としたメタノールの製造・販売実現にむけ、建築用ガラス事業と化学品事業が事業を横断した取り組みを実施し、サステナブルな社会の実現に貢献するとともに、継続的な成長・進化を目指します。

 三菱ガス化学は、グループのミッション「社会と分かち合える価値の創造」に基づき、長年培ってきた自社触媒を基にしたメタノール製造技術により、CO2・廃プラスチック・バイオマスなどを、メタノールに転換して化学品や燃料・発電用途としてリサイクルする取り組み「環境循環型メタノール構想 "CarbopathTM"*5」を推進しており、社会実装を通じて、温室効果ガスの排出削減や循環型経済への移行に向けて積極的に貢献してまいります。

<注釈>
*1 「環境循環型メタノール」:三菱ガス化学が掲げる環境循環型メタノール構想の中で、回収CO2、再生可能エネルギー由来水素あるいはリサイクル原料をガス化炉でガス化したものを原料に用いたメタノール、と定義される。
*2 AGC調べ
*3 Carbon dioxide Capture and Utilization (二酸化炭素回収利用)
*4 Scope1およびScope2
*5 「環境循環型メタノール構想」のブランドを「CarbopathTM (カーボパス)」と命名しました。CarbopathTM という名称には、三菱ガス化学が環境循環型メタノール構想を推進する先駆者となるという想いが込められております。

<ご参考>
本検討と将来の検討

お問い合わせ先

三菱ガス化学株式会社
総務人事部広報グループ
TEL:03-3283-5040

PDFダウンロード