海外メタノールプラントにおける蒸留自動起動システムを実用化、DXを推進

2023年8月4日

 三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤井 政志、以下、当社)は、メタノール製造装置の蒸留自動起動システムを開発し、ブルネイ国に立地する当社の持分法適用関連会社であるBrunei Methanol Company SDN.BHD.(ブルネイ・ダルサラーム国、スンガイ・リアン工業団地)の既存プラントに実装して、2023年6月5日より運用を開始しました。

 従来、当社のメタノール事業は、原料の天然ガス産出地域における大規模集中型ビジネスモデルで実施していますが、現在推進する環境循環型メタノール構想Carbopath™では、CO2、バイオマス、廃プラスチック排出源近くでの小型分散型ビジネスモデルを想定しています。ここでは多様な事業者との協業を想定し、デジタル技術を活用したメタノール製造装置の自動運転や遠隔監視システムなどの運転支援サービスを提供し、化学装置における効率的な生産システムを提案いたします。

 今回実装した蒸留自動起動システムEDCS(Enhanced Distillation Control System)は、蒸留装置の起動操作に関する熟練運転員のスキル及びノウハウをデジタル化し、運転技術の標準化を可能にするシステムであり、2021年より自社にてプラント自動化の技術開発に取り組んできました。運転員の技量によらない最適な蒸留起動が達成できるとともに、プラント操業における省力化及び省エネルギー化に貢献することを企図しています。
 当社はCarbopath™の社会実装に向け、以下の項目を中心に、引き続き技術のデジタル化を進めていきます。

■ 自動運転
 70年以上にわたるメタノールプラントの運転経験に基づき、定常及び非定常運転も含めた装置全体の自動運転システムの開発を進め、熟練運転員のスキルに基づく最適なプラント運転を実現します。またデジタルツイン技術を取り入れ、信頼性の高い自動運転システムを確立します。

■ 遠隔監視
 遠隔監視室を設置し、技術者がリアルタイムにプラントの運転状況を把握して、的確なアドバイスを行います。また豊富なプロセス技術、運転技術の知見を活かし、異常予兆、故障予知診断を行うプロセス解析システムでは、技術者の判断と連携することで、より安定なプラント運営を実現します。

■ 設備管理支援
 プラントの予備品や予備機の保管、タイムリーな発送をする在庫管理サービスを提供し、トラブル時のプラント操業をサポートします。またスマートグラスなどのデジタル技術も活用し、当社の設備管理技術を基に効率的な定期修繕サポートのサービスを提供します。

 温室効果ガスの排出削減とカーボンニュートラル社会の実現に向けて、当社ではメタノールプロセス技術とデジタル技術を融合したCarbopath™の社会実装を積極的に推進してまいります。

 当社はCarbopath™ に限らず、SMART-MGCとしてデジタル技術を活用した取組みを全社的に推進しており、生産現場に加え間接部門も含めて、業務効率化・全体最適化を促進し、生産性を向上することで、企業価値を高めてまいります。

以 上

お問い合わせ先

三菱ガス化学株式会社
総務人事部広報グループ
TEL:03-3283-5040

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