国内初、CO2活用の環境循環型メタノールの社会実装について共同検討を開始
2022年6月30日
株式会社トクヤマ
三菱ガス化学株式会社
国内初、CO2活用の環境循環型メタノールの社会実装について共同検討を開始
株式会社トクヤマ(本社:山口県周南市、社長:横田 浩、以下、トクヤマ)と三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤井 政志、以下、三菱ガス化学)は、三菱ガス化学が新たに開発したメタノール製造技術を適用し、トクヤマの徳山製造所にて排出されている二酸化炭素(以下、CO2)と徳山製造所内で生じる水素(H2)を原料としたメタノール製造販売の事業化検討(FS)を行うことに合意し、覚書を締結しました。本検討ではバイオマス発電によるグリーン電力を利用して製造される水素の活用も視野に入れています。
メタノールは様々な化学製品の基幹物質であり、温室効果ガスのCO2を原料として製造することができるため、二酸化炭素回収利用 (以下、CCU: Carbon dioxide Capture and Utilization)を通じ、カーボンニュートラル社会を構築する有力な素材として期待されています。
このたび、両社は脱炭素社会の構築のために、温室効果ガスの排出量が少ないグリーン製品の社会実装を進めたいという思いが一致したことから、共同で事業化検討を進めることと致しました。
本検討が事業化された際は、工場より排出されるCO2をメタノールの原料として再利用する、日本国内での初めての商業プラントとなります。製造されたメタノールは、トクヤマで製造される化学品の原料として使用され製品のグリーン化を実現すると共に、三菱ガス化学の既存メタノール供給網を利用し、環境循環型の化学品を必要とする需要家の方々への供給だけでなく、温室効果ガス排出の少ない燃料、水素源を必要とする方々への供給も可能になります。
トクヤマは中期経営計画2025で「地球温暖化防止への貢献」を掲げ、CO2排出量削減目標を設定し、自家発電や製造工程から生じるCO2の削減を推進しております。今回の事業化検討を通じ、バイオマス燃料による自家発電の電力を活用し、苛性ソーダ製造から生じる水素と徳山製造所内で発生するCO2を有効活用することにより、CCU技術の確立を目指し、カーボンニュートラル社会へ向けての取り組みを加速させてまいります。
三菱ガス化学はグループミッション「社会と分かち合える価値の創造」に基づき、長年培ってきた自社触媒を基にしたメタノール製造技術により、CO2・廃プラスチック・バイオマスなどを、メタノールに転換して化学品や燃料・発電用途としてリサイクルする取り組み「環境循環型メタノール構想」を推進しており、構想の社会実装を通じて、温室効果ガスの排出削減や循環型経済への移行に貢献してまいります。
両社は本検討を通じ、環境循環型メタノールをはじめとした環境に配慮したグリーン製品の普及促進のため「低炭素価値」「環境循環価値」の具体化を進めると共に、化学産業だけでなく業種を超えた官民産業横断的な取り組みを積極的に推進し、国産のグリーン製品の市場創出とCCU産業の社会実装を実現してまいります。
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