DAC(ダイレクトエアキャプチャー)技術による環境対応の取組みについて

2022年2月8日

 三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤井 政志、以下、当社)は、2050年カーボンニュートラルの目標達成にむけた取り組みのひとつとして、DAC(ダイレクトエアキャプチャー)技術の開発に取り組んでいます。

 DACは、大気からCO2をダイレクトに回収する技術で、吸収剤を用いて大気から吸着・吸収したCO2を加熱や減圧などによって捕集します。大気中のCO2を直接回収して資源化できることからカーボンネガティブ技術*として期待されています。
(*カーボンニュートラルを発展させ、大気中のCO2を減少させることができる技術。)

 当社は学校法人神戸学院 神戸学院大学 稲垣冬彦教授とアミン化合物を吸収剤に用いたDACの実証試験並びに吸収剤の開発に関して共同研究を実施しています。その中で、当社製品であるMXDA(メタキシレンジアミン)を用いたユニークなDAC技術を開発しています。

 従来技術ではアミン化合物がCO2を吸収した後に大気中の水分の影響を受けて水和物に変化し、CO2と同時に水分も吸収してしまいます。この場合、加熱してCO2を脱離回収する際に水も同時に加熱されてしまうため、エネルギーの効率が悪いことが課題でした。

 一方、一般的なアミン化合物の代わりにMXDAを使用すると、大気中の水分の影響を受けず、CO2のみを吸収することが可能です。そのため、CO2脱離時に水分にエネルギーを消費されること無く、効率を大幅に改善することが期待されます。さらに、MXDA技術を基盤として、CO2を吸収させる「特殊アミン類」の基礎研究を行っており、高効率なDAC技術への貢献を目指します。

 回収したCO2は2021年3月30日付でニュースリリースした「環境循環型メタノール構想」において、メタノールの原料としての利用が想定されます。当社はこれらの取り組みを進め、脱炭素社会や循環型社会の実現に貢献してまいります。

以 上

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