「BioPQQ」の脂肪蓄積抑制作用とその仕組みを初めて解明

2021年11月26日

 三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤井 政志、以下、当社)は、大阪府立大学(生命環境科学研究科 赤川 貢准教授)との共同研究により、ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩「BioPQQ」が高脂肪摂食マウスの脂肪蓄積を抑制することを確認し、その仕組みを明らかにしました。

PQQ
ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩の構造式

 本研究により、「BioPQQ」は高脂肪食を摂取したマウス、餌を過剰に与えたミジンコで脂肪の蓄積を抑制することを明らかにしました。また、肥満モデル実験に使用される標準的な培養細胞である3T3-L1脂肪細胞を使用した実験により、「BioPQQ」は脂肪の取り込みを抑制し、かつ脂肪代謝を上げる働きによって脂肪の蓄積を抑制していることが判明しました。

マウス比較
6週間自由摂取後の写真
 左:高脂肪食   右:高脂肪食+BioPQQ0.02%

 

腹部マイクロCT
マウスの腹部のマイクロCT画像

 

 PQQにより、体内のエネルギー代謝に関わるミトコンドリアを新生させる遺伝子と、脂肪細胞を燃焼しやすい形態(ベージュ)に変える働きのある遺伝子を活性化することで脂肪蓄積抑制につながると考えられます。

mechanism

 近年の食事の洋風化、高脂肪食を摂取しがちな食生活において、肥満は、心血管疾患、2型糖尿病、炎症、ガンなどのさまざまな疾患に関連しています。本研究が肥満の抑制につながり、人々の健康に貢献できると期待されます。

 当社は、長年蓄積してきた培養技術により、2008年にピロロキノリンキノン二ナトリウム塩を食品向けとして世界に先駆けて開発し、「BioPQQ」のブランド名で機能性食品素材として販売しています。米国に次いで日本でも2014年に機能性食品素材として認められ、2018年には欧州委員会よりNovel Foodとしての指定を受けたことで、欧州でも食品素材としての流通が正式に認められました。

 また、2018年には国際的なアンチドーピング認証である「インフォームドイングリーディエント」の認証を受けました。これはアスリート向け食品の原材料として お使いいただけることに加え、全ロット製品について第三者による品質評価がなされた安心・信頼のブランドとしての国際認証の取得であり、今後多くの方々の健康の維持・増進に役立つ素材としての活用が期待されます。

 当社は、食品素材として様々な可能性を持つ「BioPQQ」の拡販を進めるとともに、当社が今後進むべき新たな事業領域の一つに定める“医・食”領域の拡大を図ってまいります。

※この研究成果は米国化学会の国際ジャーナル ACS Food Science & Technology, 2021, 1, 10, 1979-1989に掲載されました。

以 上

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三菱ガス化学株式会社
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