医療分野の事業展開加速に向けた3社への出資について

　三菱ガス化学株式会社（本社：東京都千代田区、社長：倉井 敏磨、以下「当社」）は、医療分野の事業展開加速を目的に、検査・診断デバイスや再生医療の研究開発を行う3社へ下記の通り出資いたしましたので、お知らせいたします。

　近年、医療業界では、医療の質や生活の質向上の観点から、早期の治療や看護等を目的とした迅速診断や、再生医療（患者の体外で培養した細胞や組織を用いて修復再生することで、疾病や損傷の原因そのものを取り除くことが可能となる技術）等への注目が高まっており、今後市場の成長が見込まれます。

　迅速診断に使用する検査・診断デバイスは、小型化や高性能化のために、緻密な成形技術が求められます。化学・素材メーカーである当社の知見が十分に生かせる分野であると考えられることから、理化学研究所発のベンチャー企業「株式会社コンソナルバイオテクノロジーズ」および米国アリゾナ大学発のベンチャー企業「WHITESPACE ENTERPRISE Corporation」に出資し、将来的な事業参入を視野に研究開発を進めてまいります。
　また、再生医療の研究を行う「NCメディカルリサーチ株式会社」に出資することで、再生医療分野の探索も行い、当社の技術を生かした事業参入の機会を調査してまいります。

　当社は、中期経営計画「MGC Advance2020」において、進むべき5つの事業領域のひとつに「医・食」領域を設定しております。「医」の領域については、医薬品・医療機器用の脱酸素剤、医薬用プラスチック製多層容器、抗体医薬品や核酸医薬品の研究、探索等、様々な取り組みを行っております。本出資を通じ、さらなる事業展開を進めてまいります。

記

１． 理化学研究所発ベンチャー企業「株式会社コンソナルバイオテクノロジーズ」への出資

(※) アレルギーは、花粉や食物などの物質（アレルギー物質）に対して過剰な免疫反応が起こり、鼻水や下痢、蕁麻疹などの症状が出る病気です。この免疫反応は、アレルギー物質と抗体が結合することにより引き起こされます。
　従来のアレルギーの血液検査には、アレルゲンエキス（アレルギー物質を含んだ液）と検査対象者の抗体との反応を調べる方法が用いられておりますが、その症状の発生メカニズムが複雑なため、検査結果が症状と必ずしも一致しないという課題があります。
　当社および株式会社コンソナルバイオテクノロジーズは、アレルギー物質をいくつかの断片に分けて同時に検査することで、血液中の抗体と結合する部位を特定できる検査チップを開発しています。従来の検査方法よりも迅速に検査ができ、精度の高い情報が得られます。また、少量の血液で検査ができるため、小児への検査にも使用することが可能です。当社の素材および成形技術を活用することで、安定的な性能を確保しつつ量産が可能となります。

▼検査のフロー

２． 「WHITESPACE ENTERPRISE Corporation」への出資

３． 「NCメディカルリサーチ株式会社」への出資

以上