電子部品のはんだ濡れ性を維持するために

工業

電子部品のはんだ濡れ性を維持するために

半導体技術が高度になるにつれ、益々高い信頼性が必要となりはんだの濡れ性維持は重要な課題になっています。

この記事では、はんだ濡れ性劣化の原因から現行保存方法の問題点を明らかにしつつ、はんだ性劣化の原因となる酸素や水分を防ぐ「RPシステム®」という乾燥機能付き脱酸素剤「RP剤」を用いた管理方法をご紹介致します。

はんだの濡れ性とは?

はんだの濡れ性とは金属表面で溶融したはんだが、濡れたように流れることを言います。

はんだ濡れ性が維持できないとどうなる?

製品の品質低下

はんだの濡れ性が悪い場合は、歩留まりの低下、自社製品の品質低下や廃棄品の増大につながります。

現行の保存方法の問題点について

現行の保存方法の問題点としては保管方法が悪く、部品が酸化・吸湿の進行リスクにさらされていることです。

酸化・吸湿が進んだ部品では、濡れ(付け)性の維持ができず、はんだ性の劣化した部品を実装した製品が不具合を起こすトラブルが起こり得ます。

【トラブルの例】

  • 廃棄品の増加や再購入によるコスト増
  • 顧客からの信頼性低下

廃番部品を長期間保管することは品質劣化リスクがある。

供給責任対応はメーカーの担当者、技術者の大きな悩みの一つです。

供給責任を果たすために、少量生産を継続し続けなければならず、高コスト生産であり利益を圧迫してしまいます。
また、生産設備の更新が出来ません。

在庫の品質管理は万全の体制を構築する必要があります。

【供給責任対応時の悩み】

  • コスト削減のために大量生産したいが、長期間の品質維持が難しく、大半が不良品となり廃棄する恐れがある。
  • 仕様変更ができない部品を少量で作り続けないといけない

廃棄部品の増大による環境負荷増大

SDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」がスローガンとして掲げられ、企業の社会的責任(CSR)が叫ばれる世の中になってきました。

以前のように廃棄部品を多く出しつつも利益を上げるという、会社に対しては社会の目が厳しくなりつつあります。

廃棄部品を減らす取り組みを行うことで、コスト削減しつつ社会貢献を行うことが企業に求められています。

工業用乾燥機能付脱酸素剤「RPシステム®」ではんだ濡れ性を維持

RPシステム®と既存包装方法との違い

はんだの濡れ性維持の重要性と、多くの企業様で抱えている品質維持の問題点をお伝えしてきました。

はんだ濡れ性維持や品質維持に、三菱ガス化学(株)が開発した脱酸素乾燥剤「RPシステム®」をご紹介いたします。

脱酸素乾燥剤「RPシステム®」とは?

製品を長期間、確実に酸素・水分・腐食性ガスによる劣化から守る包装システム「RPシステム®」

RPシステム®とは脱酸素乾燥剤「RP剤」とハイガスバリア袋を組み合わせた保管方法です。

乾燥窒素雰囲気を作ることで部品のはんだ性劣化を防止して購入直後の品質をそのままに長期保管が可能です。

使用量に合わせて小分け包装

まずは、部品を使用量に合わせて個別に包装します。

ガスバリア袋の中に脱酸素乾燥剤「RP剤」と製品を同封して包装することで、部品ごとに除湿・脱酸素の状態で保管することができます。

高額部品であれば1つ1つ包装し、安価で大量の部品の保管の場合は大きめのガスバリア袋に包装して保管場所を確保するという運用も可能です。

この部品ごとに保管方法を選べる点で、デシケーター(ドライキャビネット)からRPシステム®に切り替えを検討して頂くケースが多くあります。

基板などの電子部品の劣化防止にお悩みの方は、下記の記事を参考にして下さい。

電子部品劣化防止には吸湿機能付き脱酸素剤「RPシステム®」

使い残しは再封止

RPシステム®は、ガスバリア袋の中に脱酸素乾燥剤「RP剤」と製品を同封することで、除湿・脱酸素状態を作り出すことができます。

そのため、使い残しの部品は再封止することによって、品質や濡れ性を維持して保管することが可能です。

現場で簡単に再封止の作業を行うことができるので、管理コスト削減と品質維持の面からご好評頂いております。

導入についても弊社三菱ガス化学(株)脱酸素剤事業部にお気軽にお問い合わせください。

工業用乾燥機能付脱酸素剤「RPシステム®」製品詳細ページ

製品に関するお問い合わせ

機能化学品事業部門 脱酸素剤事業部
TEL:03-3283-4867 / FAX:03-3287-1785

この記事を書いた人

三菱ガス化学(株)
脱酸素剤事業部
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脱酸素剤「エージレス®」は、鉄が酸素と反応して錆びる(=酸化する)原理を応用して、MGCが世界に先駆けて開発しました。食品・医薬・工業など様々な用途に対し、品質を守る製品の開発を積極的に進めています