鮮度保持剤ってなに?乾燥剤と脱酸素剤の違いについて

医薬

鮮度保持剤とは?乾燥剤と脱酸素剤の違いについても解説します。

エージレス博士

お菓子や食品の湿気防止のために、一緒にはいっている小袋の乾燥剤や脱酸素剤などの鮮度保持剤。
乾燥剤と脱酸素剤には、それぞれ違った役割があります。
このコラムでは、乾燥剤と脱酸素剤の特徴や違いなどをご紹介します。

鮮度保持剤とは?

鮮度保持剤の使用例

鮮度保持剤とは、密閉した袋の中に食品と一緒に入れることで食品の美味しさや鮮度を保つことができるものです。

クッキーなどのお菓子や海苔などの食品を買ったときに、「食べられません」と書かれた小さな袋が入っているのを見たことがあると思います。それが鮮度保持剤といいます。

鮮度保持剤には「乾燥剤」「脱酸素剤」などの種類がありそれぞれ使用する目的が異なります。

乾燥剤とは?

水分を吸収し、食品の湿気を防ぐ

乾燥剤とは、密封された袋の中で、袋内に残った水分を吸収し、乾燥状態を維持するものです。

クッキーやおせんべい、海苔など湿気により品質劣化してしまう食品に対して使用することで、パリパリ・サクサクとした食感を維持します。

食品以外でも用いられることが多く、防錆や防湿を求められるような製品の保管や輸送の際に欠かせません。

化学的乾燥剤と物理的乾燥剤

乾燥剤には化学的乾燥剤と物理的乾燥剤があります。

化学的乾燥剤とは

化学的乾燥剤とは、水分と化合して化学反応を起こすことで吸湿する乾燥剤です。

生石灰や塩化カルシウムなどが化学的乾燥剤として挙げられます。

一度吸湿をした生石灰は消石灰へと物質変化するため、再利用することはできません。急な吸水で発火してしまうほどの発熱能力があるので、取り扱いには注意が必要です。

物理的乾燥剤とは

物理的乾燥剤とは、物質の表面が多孔質で、その表面や隙間に空気中の水分が吸湿する性質を利用した乾燥剤です。

二酸化ケイ素から成り立っているシリカゲルやデシクレイなどが物理的乾燥剤として挙げられます。

シリカゲルは加熱によって水分を放出するため再利用が可能です。

乾燥剤「エージレスドライ®」

エージレスドライ®

主原料

生石灰(酸化カルシウム)

特徴

  • 水分を吸収し、食品の湿気を防ぎます。
  • 生石灰系の乾燥剤でありながら、発熱(水和熱)が抑制されています。

保管方法

  • 保管方法:直射日光を避け、水濡れに注意し、常温(30℃以下)で保管してください。
  • 品質保証期間:出荷後2ヵ月。

脱酸素剤とは?

酸素を吸収し、食品の劣化変質を防ぐ

脱酸素剤とは密封された袋の中で、袋内に残った酸素を吸収し、食品の劣化変質を防ぐことができるものです。

包装容器の中を脱酸素状態(酸素濃度0.1%以下が維持されている状態)にすることによって酸化を防ぎ、ビタミンや油脂の変質、風味の変化や変色を抑えます。また、カビや細菌の増殖を抑制、害虫を死滅させる役割があり、食品の美味しさや鮮度を保ちます。

食品以外でも医薬・医療品・化粧品などの劣化防止、衣類・寝具などの防ダニ・防カビにも幅広く使用されています。

脱酸素剤「エージレス®」

エージレス®

主成分

脱酸素剤の主成分は、特殊処理された鉄粉です。

鉄が錆びる時に酸素と結合する働きを応用して、密閉容器内の酸素を吸収し、酸化など酸素による商品への悪影響を防止します。

特徴

  • フィルムから透過してくる酸素も除去し続け、従来の保存方法では実現できなかった脱酸素状態を作り出します。
  • 作りたての風味・色合い・香り・栄養素を長期にわたり保持します。
  • 食品等のカビや好気性菌の増殖を抑えます。
  • 害虫の発育を防ぎます。
  • 油脂の酸化を防止します。
  • 高い脱酸素効果によって、食品添加物の量をおさえることができます。

保管方法

  • 保管方法:直射日光を避け、常温(30℃以下)で保管してください。
  • 品質保証期間:出荷後6ヶ月。ただし、15℃以下の低温保管の場合は、出荷後1年間。

乾燥剤と脱酸素剤の違いまとめ

乾燥剤「エージレスドライ®」

乾燥剤「エージレスドライ®」

脱酸素剤「エージレス®」

脱酸素剤「エージレス®」

乾燥剤 脱酸素剤
役割 水分を吸収する 酸素を吸収する
対象商品 クッキー、せんべい、海苔など
水分量の少ない食品
ケーキ、フィナンシェ、コーヒーなど
しっとりした食品・酸化すると風味が損なわれる食品

よくあるお悩み

脱酸素剤・乾燥剤についてのお悩み

Q.脱酸素剤(エージレス®)が熱くなることがあるけど、大丈夫?

開封の際、中のエージレス®が空気(酸素)に触れて発熱する場合が脱酸素剤は酸素吸収をすると、熱くなりますが心配ありません。

また、一般的にやけどをしたり、火事になったりするような発熱量ではありませんので、ご安心下さい。

Q.電子レンジで加熱しても大丈夫?

脱酸素剤によって、電子レンジで加熱しても大丈夫なものと不可のものがあります。

包装材をよくご確認ください。

Q.お菓子などに入っている乾燥剤は再利用できる?

シリカゲル乾燥剤は、再利用ができる場合がありますが、石灰乾燥剤や脱酸素剤は再利用ができません。

この記事を書いた人

三菱ガス化学(株)
脱酸素剤事業部
脱酸素剤エージレス®【公式】Twitter

脱酸素剤「エージレス®」は、鉄が酸素と反応して錆びる(=酸化する)原理を応用して、MGCが世界に先駆けて開発しました。食品・医薬・工業など様々な用途に対し、品質を守る製品の開発を積極的に進めています