食品
水分活性値とは?食品と水分活性の関係について
自由水の割合を表す水分活性値(単位:Aw)について、食品の賞味期限や微生物との関係について解説します。
食品の保存性と水分活性は大きく関係しており、ぜひ、この記事を参考にして貴社の品質保持にお役立てください。
【この記事の要点】
水分活性値とは?
食品中の水分は食品成分と結合した“結合水”と、微生物が利用可能な結合していない“自由水”とから成っています。
水分活性はこの自由水の含有量を示す尺度で、水分活性が高い程、微生物が増殖しやすくなるのでその食品の保存性は低下します。
水分活性は0〜1の数字で示され、水分のない食品は0、純水は1となります。 水分活性は水分含量との相関が強いものの、同一水分量の食品でも食塩や糖類の含有により変化します。
ある食品の水分活性をAwとし、その食品を密封した時の空間内の(平衡)相対湿度をRH (%)とした場合、Aw=RH÷100の関係となります。
水分活性はエージレス®のタイプ選定においても重要な数値となります。
水分活性値と品質保持の関係について
水分活性値と品質保持やカビの予防は密接な関係があります。
水分活性と真菌(カビ)や細菌増殖の関係

食品は水分活性の高い領域で不安定です。
また、水分活性を低くしすぎても、油の酸化が進みやすくなる傾向があります。
そこで、脱酸素剤「エージレス®」を密封容器中に入れ酸素を吸収することで、脱酸素状態(酸素濃度0.1%以下)を作り出すことで包装内の酸素を取り除き、水分活性が高い食品でも長持ちさせることが出来るようになりました。
酸化を防ぎつつ、カビ予防になるため 美味しさと賞味期限を共に共に延ばすことができるため、ご好評頂いております。
食中毒菌の抑制、更なる賞味期限延長に水分活性の調整が必要
衛生物の種類 | 性 質 | 生育しやすい範囲(Aw) | エージレス®との関係 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
一般菌 | 食中毒菌 | |||||
好気性 微生物 |
カビ | 麹カビ 青カビ |
アフラトキシン産生カビ | 無酸素状態では生育できない | 0.80以上 | エージレス®で顕著に防げる |
好気性菌 | 多くのバチルス シュードモナス |
|||||
一般の酵母 | パン酵母 アルコール酵母 |
酵母の存在する方がよく育成するが低酸素温度でも生育できる | 0.88以上 | エージレス®では十分には防げない | ||
通性嫌気性菌 | 大腸菌 |
黄色ブドウ球菌 腸炎ビブリオ 病原性大腸菌(O-157など) |
酸素の存在する方がよく生育するが無酸素状態でも生育できる | 0.90以上 | エージレス®では防げない | |
微好気性菌 | 大部分の乳酸菌 | カンピロバクター | 低酸素温度で最も良好に生育する | |||
偏性嫌気性菌 | ビフィズス菌 | ボツリヌス菌 ウエルシュ菌 |
無酸素状態で育成する |
食中毒や食品の品質劣化を引き起こす微生物の抑制や、更なる賞味期限の延長には水分活性の調整が必要です。
上図のように、各微生物には生育しやすい範囲(Aw)があるので、下回ることが大切です。
水分活性と含有水分の関係

水分活性は水分含有量との相関関係が強いものの、同一水分量の食品でも食塩や糖類の含有により変化します。
特に食塩の添加は水分活性を下げるのにも有効です。
食品包装や食品工場のカビや高気性菌の防止方法について食品の水分活性とエージレスタイプ別の適用範囲

食品の水分活性に合わせたエージレス®をご提案いたします。
ぜひ、当社にお気軽にお問い合わせください。
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