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工業用乾燥機能付脱酸素剤「RPシステム®」
三菱ガス化学株式会社製品の工業用乾燥機能付脱酸素剤「RPシステム®」紹介ページです。
パッケージ内の湿気と酸素を吸収して乾燥無酸素状態にすることで、製造直後の品質を維持します。
電子部品や金属部品など、輸送時や保管時の製品劣化を防ぎ、信頼性の維持や廃棄ロス削減によるコストダウンに貢献します。
工業製品の品質保持に是非、お役立てください。
工業用乾燥機能付脱酸素剤「RPシステム®」とは?

RPシステム®は、金属・電子部品等の酸化・吸湿・変色・はんだ性劣化・ボンディング性劣化等の保管・出荷後の劣化を防止します。
製造直後の品質でお客様へお届けすることで、CS(顧客満足度)を向上させることのできる戦略的包装技術です。
供給責任を果たすための部品の長期保管
- モデルチェンジにより製造停止は決まったが、顧客の要望により部品の調達や製造は続けなければならない。
- 生産終了の車でも補修部品は先数十年必要になる。
止めたくても止められない部品メーカー様のお悩みを解決します。
廃棄ロス削減による収益改善
メーカーにとっては製造コスト削減だけでなく、廃棄ロスによる赤字も大きな課題です。
特に、品質劣化(錆や腐食)による製品廃棄は大きな損害であり、製品赤字の原因になります。
部品原材料の調達リスク
自社製品に欠かせない部品・原材料が、仕入れ先の都合により廃番になってしまうケースがあります。
その場合は、自社で部品を一括引き取り(購入)する必要がありますが、品質保持期限内に使用しなくてはいけません。
そこで製品劣化を防ぐ為に、無酸素・無水分状態で保管することが望ましいです。
※弊社として無酸素・無水分の定義:酸素濃度0.1%以下、湿度10%RH以下
RP剤の機能
RP剤の酸素吸収・吸湿能力について解説します。
酸素濃度を2日以内で0.1%以下に
①酸素濃度を約1日で0.1%以下にする。

測定条件:240×400mmアルミ袋にRP-20AEを1個、空気2000mlを封入。
包装内の酸素濃度を3日以内に無酸素状態(酸素濃度0.1%)にします。
相対湿度を1日で10%以下にする
②相対湿度を数時間で10%以下とする。

包装内の相対湿度を1日以内で10%以下にします。
腐食性ガスを吸収
③硫化水素濃度を数時間で1ppm以下とする。

硫化水素の他に、腐食性ガスとして、亜硫酸ガス、塩化水素、アンモニアも吸収します。
※上グラフは当社の測定値であり、保証値ではありません。
RPシステム®の使用方法について
工業用乾燥機能付脱酸素剤「RPシステム®」の使用方法について解説します。
【RPシステム®に必要な物】
- RP剤(乾燥機能付き脱酸素剤)
- ハイガスバリア袋(アルミ袋、PTS袋、エスカル®・ネオ)
- 熱シール機(ヒートシーラー)
脱酸素剤のサイズ選定目安

まずは、封入するガスバリア袋のサイズと種類を選びます。
ハイガスバリア袋
【RPシステム®の包装材】
- アルミ袋:アルミ箔のため透明性を有しないが、バリア性は最も高い。主に長期保管(10年)向け。
- PTS袋:透明性を有した袋のため、内部の確認が可能。主に短期間(1年以内)の輸送・保管用など。
- エスカル®・ネオ:PTSと同じく透明性を有した袋であり、チューブ状のため袋の長さを自由に調整が可能。
ポリエチレンやナイロン等、ガスバリア性の低い袋では効果がありません。必ずハイガスバリア性の袋をご使用下さい。
空気量の算出
次の式で容器内空気量を算出します。

RP剤の選定
概算した空気量に基づき、投入するRP剤のサイズ、個数を決めます。
RP剤各サイズの対応空気量と製品入り数は以下です。
下表はRP剤個数の目安です。(おおよその目安としてお考え下さい。)
袋サイズ(mm) | 概算空気量(ml) | RP剤サイズ | 個数 |
---|---|---|---|
180×250 | 300 | RP-3AE | 1 |
220×300 | 500 | RP-5AE | 1 |
350×500 | 1,000以上 | RP-5AE | 2以上 |
400×620 | 2,000以上 | RP-20AE | 1以上 |
800×850 | 6,000以上 | RP-20AE | 3以上 |
封入・シール

必要量のRP剤を取り出し、製品とRP剤をガスバリア袋に入れ、ヒートシール機で完全に密閉します。
アルミ袋から取り出したRP剤は3時間以内に封入を完了して下さい。
残ったRP剤はすぐに元のアルミ袋に密封します。RP剤は空気中に放置すると能力が低下します。
保存・輸送
RPシステム®で包装した後は、RP剤が酸素・湿分を吸収除去します。
包装直後は無酸素・乾燥ではありませんので、保存輸送時の急激な温度変化には注意して下さい。
RPシステム®導入の採用例
工業用乾燥機能付脱酸素剤「RPシステム®」の採用・導入事例の一部をご紹介します。
RPシステム®使用例
RPシステム®使用例:電子部品


対象物 | 全アイテム 特にIC、コネクタ、リード部品 |
---|---|
目的 | 輸送・輸出・長期保管 |
効果
- 劣化防止(吸湿・酸化・はんだ性)
- 生産中止対応(補修部品の供給義務 原料供給停止リスク)
- 長期保管(生産中止品)
対象物 | MASKウエーハ・ベアチップ |
---|---|
目的 | 長期保管 |
効果
- 酸化防止
- ボンディング性維持
RPシステム®使用例:プリント配線板

対象物 | 全アイテム (リジッド リジッドフレキ FPC BGA/CSPのインターポーザ) |
---|---|
目的 | 輸送 輸出 社内保管 長期保管 |
効果
- 酸化防止
- ボンディング性維持
- デラミネーション・ブローホール防止
- パッドの変色・酸化防止
RPシステム®使用例:メンテナンスユニット(補修用実装ユニット)

対象物 | 全アイテム |
---|---|
目的 | 長期保管 |
効果
- 検査合格品が長期保管後、不安定・異常動作することの防止
RPシステム®使用例:金属素材


対象物 |
形状:全アイテム 特に金属粉 ボール フィルム 蒸着膜 素材:全アイテム 特にはんだ 銅 黄銅 リン青銅 銀 超硬材料 希土類金属 |
---|---|
目的 | 輸送 輸出 社内保管 長期保管 |
効果
- 吸湿・酸化による性能・特性の劣化防止
RPシステム®使用例:金属部品


対象物 | 全アイテム 特に防錆油・防錆剤を付けられないもの、付けた後洗浄しているもの、錆の手直しを行なっているもの |
---|---|
目的 | 輸送・輸出 保管 |
効果
- 錆・変色防止
- 油ヤケ防止
- 洗浄工程廃止
RPシステム®使用例:その他

対象物 | 光学素子 |
---|---|
目的 | 輸送 輸出 社内保管 長期保管 |
効果
- ヤケ防止

対象物 | 樹脂 |
---|---|
目的 | 長期保管 |
効果
- 変色防止
- 吸湿防止

対象物 | ゴム |
---|---|
目的 | 長期保管 |
効果
- 酸化防止(引張弾性率の上昇防止 引張伸び率の低下防止)
【関連記事】
酸素インジケーター(包装設計テスト用)
RPシステム®包装後、ガスバリア容器内が無酸素状態になったことを色で確認するための検知剤です。
あくまでも包装設計用であり、品質保証に類する目的での使用はおすすめいたしません。

使い方
- 袋から取り出し、フィルム個包装のまま使用して下さい。
- 必要量を取り出したら、残りを直ぐに密封して冷蔵して下さい。
- 性能維持のため、同封されている食品用脱酸素剤は取り出さないで下さい。
- 包装時酸素に触れてブルーになりますが、容器内の酸素濃度が0.1%以下になると再びピンクに戻ります。
- 使用温度範囲:室温程度で使用して下さい。
冷蔵などの低温下では無酸素状態であっても変色に時間が掛かります。 - 次のことが確認できます。
- ※容器が正しく密封されていること。(シールの確認)
- ※RP剤の投入量が適正であること。
- ※ガスバリア袋にピンホール、破袋がないこと。

ご注意
- 包装後、長時間経過した場合の呈色は正しくない場合があります。
- 誤認防止のため、色調は必ず白い背景でご確認下さい。
- 酸素インジケーターは繰り返し使用できません。
- 冷暗所にて保管下さい。
大気中(酸素の存在下)や乾燥状態に放置しないで下さい。
正しい呈色を示さない場合があります。
熱シール機(ヒートシーラー)
RP剤とガスバリア袋を使っても、完全密封しなければRPシステム®は十分な効果を発揮できません。
熱シール機(ヒートシーラー)をご準備ください。(当社の販売品目ではありませんので別途ご購入ください。販売店よりご紹介いたします)
インパルスシーラー

大量作業向け
ヒーターに高圧電流を瞬間的に流して、袋を熱溶着します。脱気やガス置換が出来るタイプもあります。
作業者による個人差が出にくく、作業の標準化が容易です。
クリップシーラー

少量作業、テスト使用、大型梱包向け
取っ手を握って熱板に圧力をかけて袋を熱溶着します。
使用時には表面温度計による温度管理をお勧めいたします。
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製品に関するお問い合わせ
三菱ガス化学トレーディング株式会社
機能材料本部 ライフソリューション部 生活産業グループ
TEL:03-6626-3365
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