超強酸技術 篇

PDF

プラスチックやペットボトル、香料の原料などになるメタキシレンは、石油から得られる混合キシレンを分離してつくられる。
この分離こそがかつて至難の業だったが、これを型破りな方法で行ったのがMGC。
1968年、HF-BF3という非常に強い酸を利用して、世界ではじめて高純度メタキシレンの工業生産に成功した。
HF-BF3はガラスも溶かす激しい腐食性をもち、工業的に使いこなすことは不可能だといわれていた。
しかし、MGCは果敢にこの難題に挑む。
さまざまな試行錯誤を繰り返し、ついにその腐食を制御することに成功。
ここにメタキシレンチェーンを基盤とした芳香族化学品ビジネスがスタートした。
大きく広がり続けるMGCの芳香族化学品。
もとはといえばこのHF-BF3を使いこなしたことがすべてのはじまりだった。

  1. HF-BF3
    フッ化水素と三フッ化ホウ素からなる混合酸で超強酸として知られる。超強酸とは、100%硫酸より強い酸のこと。HF-BF3の酸強度は、100%硫酸の約10万倍とされ、通常では起こりにくい反応を起こしやすくする機能を持つ。
  2. メタキシレン
    キシレン異性体の一つで、もっとも分離しにくい成分のため高純度品が工業生産されず、ほかの異性体(パラキシレン、オルソキシレン)に比べ利用が進んでいなかった。
  3. 芳香族化学品
    ベンゼン環を持つ化学品のこと。MGCにはメタキシレン誘導品のほか、HF-BF3ならではの触媒能を活かした芳香族アルデヒド、芳香族カルボン酸などがある。

年表

1962 HF-BF3の研究に着手
1968 キシレン分離・異性化の工業化に成功
1970 伊・ANIC社にキシレン分離・異性化技術をライセンス供与
1973 米・AMOCOにキシレン分離・異性化技術をライセンス供与
1981 芳香族アルデヒドの事業化
1985 無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸の事業化

関連部署

  • ■芳香族化学品カンパニー 芳香族第一事業部
    電話:03-3283-4800 FAX: 03-3214-0938

受賞歴(HF-BF3 利用技術関連)

1969 石油学会賞 キシレン分離・異性化技術の確立と工業化
化学工学協会 技術賞
日本化学会化学 技術賞
1970 大河内記念会 大河内記念生産賞
科学技術庁長官賞(科学技術功労者)
燃料協会賞
1971 日本化学工業協会 技術賞
1987 化学工学協会 技術賞 無水トリメリット酸・無水ピロメリット酸の製造技術の開発と工業化
石油学会賞
1988 日本化学会 化学技術賞
科学技術庁長官賞(科学技術功労者)
1993 大河内記念会 大河内記念生産賞 芳香族ポリカルボン酸の新製造技術の開発
日本化学工業協会 技術賞
1995 化学・バイオつくば財団 化学・バイオつくば賞 芳香族炭化水素を原料とするメソフェーズピッチ製造法の開発
日本化学会 化学技術賞